イスラエル・ユダヤ情報

日本人に役立ちそうなイスラエルやユダヤ人に関する情報を発信します

ユダヤ人を味方にした国家は栄える

こんにちは! 星野陽子です(自己紹介)。

渡部昇一先生の『まさしく歴史は繰り返す』

敬愛する故・渡部昇一先生には、致知出版社セミナー後のパーティーでお話させていただいたことがあります。

 

「どうやったらたくさん書くことができるでしょうか」

と聞いたのですが

「たくさん読むことです。たくさん食べたらモリモリ出ますから」

と、あのチャーミングな笑顔で答えてくださいました。

 

その渡部昇一先生の『まさしく歴史は繰り返す』を読みました。

第一章 かくて大蔵省の”首”は落ちた

第二章 「ユダヤ化」に向かう現代社

第三章 すべての根源は「税」にあり

第四章 「社会主義の呪縛」からの脱却

第五章 かくて日本は生まれ変わる

 

この本の社販は平成10年に発行されました。けれどもあまり「古い」という感じがしません。失われた20年、いや、最近は失われた30年と言われているように、日本はがんばるのをやめて、ぼんやりと長い時を過ごしてきました。高度成長期にがんばりすぎて脱力している感じかもしれません。

 

先人たちががんばってくれて、私たちは豊かな生活を送ることができています(世界の貧困などと比べたら、すごく豊かだと思います)。ありがたいことです。でもそろそろがんばらなくては、私の子孫たちが苦しむことになるのでは?と思います。渡部昇一先生の書かれたものを読んで、今、私にできることはやっておきたいと考えています。


ユダヤ人を味方にすると国が栄える理由

先生がユダヤ人を味方にした国家は栄える」と書かれていますが、私もそれはずっと考えていたことです。ユダヤ人などで国際感覚があり、日本の国益を戦略的に多角的に考えられる優れた人たちのアドバイスを聞いたり、コネクションを利用させてもらったりするのは良いのではないか、と思います。

 

本から引用します。

「現代の自由主義経済はグローバル化、ボーダレス化の方向に向かっている。これからの日本も規制緩和行政改革によって、この大競争時代に勝ち残っていかなければならない」とは、よく言われることだが、ことはそれほど単純ではない。

 国境を低くし、世界規模で自由競争を行うというのは、言うなれば新しい時代の参加資格にすぎない。規制緩和をし、グローバル・スタンダードに合わせれば誰でも勝てる、みんなが幸せになれるというのであれば、こんなに簡単な、素晴らしい話はないが、現実はそうではない。そこにはやはり「勝つ原理」が厳然と存在するのだ。

 私の言う「ユダヤ化」とは、その勝つ原理を解くためのキーワードである。すなわち、グローバル時代、ボーダレス時代における「成功の原理」はユダヤにあるというのが、私の仮説である。

 

ユダヤ化といってもユダヤ陰謀論ではないことを強調されています。国際的な経済を一握りの人間が牛耳ることができるわけがありません。仮にユダヤ人より人口の多い日本人が一丸となって世界経済を牛耳ろうと思っても、できないことでしょう。

先生は「「ユダヤ化の方向」というのは、たとえて言えば、現代が女性解放のほうに流れているというのに似ている」と書かれています。女性を解放した本当の力は女性ではなく、男性であり、つまり、「女性に有利な社会」の基礎を作ったのは男たちである、という意味だそうです。

ユダヤ人は中世から金融業をほぼ独占してきたのですが、これは中世のキリスト教会がお金を貸して利息を取るということを禁じ、その「卑しい」行為をユダヤ人がやらざるをえなかった、つまり、ユダヤ人に金融業をほぼ独占させたのはクリスチャンである、というようなことです。


パレスチナの地からヨーロッパに離散したユダヤ人ほど、ナショナリズムに傾く国家と国境に苦しめられた人たちはいません。しかしながら、その逆境において生き延びてきたユダヤ人にとって、グローバル化、ボーダレス化は有利に働きました。

たとえばロスチャイルド財閥の創始者のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、子どもたちをドイツ、イギリス、オーストリア、イタリア、フランスに送りました。それはどこかの国でユダヤ人が追放されても、他の国で商売ができるように、というリスクマネジメントから始まったことかと思います。けれども、それは国際的な情報網となり、経済的な成功へとつながりました。

ユダヤ人を味方につけて栄えた英国

近代のヨーロッパでユダヤ人にもっとも寛容だったのは英国で、19世紀後半に首相となったのはユダヤの血を引く(父親がキリスト教に改宗した)ベンジャミン・ディズレーリです。

 

ディズレーリは英国の発展に大きな力を発揮しました。たとえば、1875年のスエズ運河株式会社の買収です。アジア大陸とアフリカ大陸の境界にあるスエズ地峡に運河を拓くことは英国にとって長年の課題でした。ところがスエズ運河の利権を得たのはフランスでした。

 

この問題の解決の糸口をもたらしたのは、ディズレーリの「ユダヤ・コネクション」でした。ディズレーリはロスチャイルド家の晩餐に招かれていたとき、ロスチャイルドに電報が届きました。「エジプトの副王が自分の持っているスエズ運河株の売却をフランス政府に申し出たが、フランスはまだ受諾していない」というニュースでした。ディズレーリは、その場でその株の買収を決断。しかしながら英国議会は休会中でイングランド銀行が政府に融資することができなかったので、ディズレーリはロスチャイルドに融資を依頼し、株を買収することができました。英国はスエズ運河に対する支配権を手に入れ、インド、さらには極東にまで勢力を拡大することができました。

 

「豊かになるには、豊かな人と付き合うべし」と言ってもよい。国家を豊かにするには、豊かなユダヤ人を味方にすることが最善の道であることを大英帝国の繁栄は教えてくれるのである。

 

そう渡部昇一先生は書かれていますが、私も賛成です。

 

2022年5月30日の毎日新聞の記事で、イスラエル日本友好議員連盟会長のツビ・ハウザー議員が科学技術など幅広い分野で協力できる両国の可能性を指摘していました。

mainichi.jp

 

私はこのような協力がもっと盛んになることを願います!
日本は宗教的・民族的な対立がほぼないというのは大きな強みなので、ユダヤ国家とアラブ国家、もちろん他の国家の「優れた人たち」と協力していくのがいいのではないでしょうか。